歯のけがについて
神戸市東灘区の歯科医院のにい歯科矯正歯科 院長の新居です。
最近すこし暖かくなってきたからか歯のけがをする方がやや多いような気がしています。
先週は自転車を避けようとして転んで歯が欠けたといういつも検診に来ていただいている患者さんが来られました。
前歯の先から4分の1がなくなっておりほんの少しですが動揺がみられました。前歯がかけていますと社会生活を送る上で
支障がありますのですぐかけている部分の補修をおこないました。患者さんもほっとした顔をされて帰宅されました。
さらに2週間前にはこけて歯が抜けたという患者さんが急に来られました。その方は知識をお持ちのようで牛乳パックに
少しだけ牛乳を残しそこに前歯をいれて持ってこられました。歯の根のまわりには歯根膜という膜がありますがそれを
乾かさないためにとてもいい方法です。(ただ牛乳アレルギーの方はご注意くださいね)
処置としましては、歯をよく生理食塩水で洗浄しさらに滅菌シャーレの生理食塩水につけておきました。
口腔内を消毒し抜けた歯をぬけた場所に再植しました。それをワイヤーを用い前歯部でボンデイング固定し
3週間経過観察としました。当日はけがもされていることもありますので抗生物質と鎮痛剤も処方させていただきました。
また、歯だけでなく頭も打った可能性があるとのことでしたので脳神経外科のある総合病院の受診をお勧めしました。
牛乳の他、「テイースキーパーネオ」という保存液が1500円~2000円ぐらいでAmazonで販売もされています。これも抜けた歯を保存して歯科医院までご持参されるにはとてもいい方法です。学校の保健室にはほぼ確保されていると昨年の西日本外傷歯学会という学会参加して話をうかがいました。また、ついこの前に開催されていた高校野球の全国大会の予選参加校に
無償で配布もされているそうです。歯がぬけ落ちてしまった場合(脱臼といいますが)にはとてもいいようです。
(ただ一応有効期限が容器に記載されておりますので一度にたくさんは買わないでくださいね)
この場合、決して水道水では(塩素が含まれていますので)洗わないでくださいね。泥や砂は気にしなくて大丈夫です。
歯科医院で徹底的に洗いますので。
なお、できましたら経過観察に歯科医院を来院してください。ダメージがけがの直後ではわからないことも
時間がたてばわかってくることもあるからです。たとえば歯の亀裂。けがの直後ではわかりませんが時間がたち
亀裂が広がりはじめてわかります。できましたらけがをしてから1年経過観察していただくと理想的です。
1か月後、3か月後、6か月後、1年後ですね。
大人の歯のけがの患者さんについて書かせていただきましたが子供の歯のけがについて次回書かせていただきたいと思います。